春を売る、そして恋を知る
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14:名無しNIPPER[saga]
2019/08/19(月) 18:31:41.94 ID:NFiIwucU0
ユズさんはそう言ったけれど、そんな人に出会える気配はどこにもない。

それからも連日連夜、見知らぬ男に抱かれる、抱かれる。お互いに恋慕や愛情なんてものはない。欲を満たすために、仕事を果たすために裸になって絡み合う。

会う度に「可愛いね」「綺麗だね」と声をかけられるのも、私からのサービス向上を期待してのものでしかない。私はどうやら綺麗らしく、他の女の子より優先して男を回される。そして、そんな男達はこぞって私の容姿を賞賛する。ハルさんの方がよっぽど美人だと思うのに。

新しい客でも、何度も見た顔であっても、私のやるべきことは変わらない。彼らの欲とプライドを満たしてあげることだけだ。どんな相手でもそれは変わらない。美醜も年齢も資産も。

「はー、これまたえらい別嬪さんで」

ドアを開けて対面した今日の客も、今まで何度も聞いたような言葉を最初に口にした。

まだ若く、私と同世代か、少し上くらいの見た目だ。オーダーメイドであることが一目で分かるようにフィットしたウィンドウペーンのジャケットが、育ちの良さを主張していた。

「こんばんは、まどかです」

部屋に招き入れて、私は彼に微笑みかけた。


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