【シャニマス SS】P「プロポーズの暴発」夏葉「賞味期限切れの夢」
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47: ◆/rHuADhITI[saga]
2019/08/18(日) 02:48:50.47 ID:oj63shz20

   ◇

 ――二年前、俺は夏葉から何かを得た。

 心に在るものが伝わることを知った。穴あきバケツを満たす方法が在るのだと知った。漠然としか感じられなかった影法師を、はじめて掴み取ることのできた夜があった。

 夏葉は俺とは違う。夏葉は何かを目指す喜びを感じていられる。手に落ちてきた多くのものを肯定できる。だからこそ、『幸せを感じる力』が誰よりも強いのだ。

 かつて、幸せを届けるカリヨンの鐘を前にして、夏葉はこう言った。

『あの鐘のように、幸せを海の向こう側まで届けられるような……』
『そんな、アイドルでいたいわ』

 そう望んでいた彼女が、身近な人間ひとりを幸せにできないはずがない。だから、俺が夏葉に望むものはきっと、あの時に決まっていたのだ。

 俺がアナタを幸せにします。なんて、そんな紋切り型はいらない。
 俺を幸せにしてください。なんて、そんな変化球もいらない。

「夏葉」

 彼女は夢を叶えたのだから、幸福な成功を掴み取ったのだから、俺はただその幸福が続くことを祈っていたい。

「どうか、幸せなままでいてくれ」
 胸にあたる夏葉の手を、俺は握り返そうとした。



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