【シャニマス SS】P「プロポーズの暴発」夏葉「賞味期限切れの夢」
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44: ◆/rHuADhITI[saga]
2019/08/18(日) 02:46:24.33 ID:oj63shz20
「俺は……」

 口ごもってしまった。言おうとした言葉を止めたせいか、他に何を言うべきなのかわからなくなっていた。自分が今、幸せなのかどうかも分からない。不幸ではないという後ろ向きな確信だけがある。

 思考は相変わらず胡乱なままで、だから、俺は思ったままに行動することにした。

「なあ。夏葉もこれ、押してくれないか」
 智代子の忘れ物、スタンプケースを手元に引き寄せて蓋を開ける。中からスタンプを一つ取りだして、そっと夏葉の手に握らせた。

「これでいいの?」
「それがいいんだ。夏葉に押してもらうなら、それがいい」

 選んだのは『よくがんばりました』のスタンプだ。最高評価の『たいへんよくできました』ではなく、上から二番目の『よくがんばりました』だ。

「わかったわ。じゃあ……目をつぶって」
「ああ」

 右頬に圧がかかる。それも少しの間のこと。数秒ほどで触れている感覚は消え失せた。
 目を開けると、また夏葉と目が合った。夏葉は俺の顔を真っ直ぐに覗き込んでいた。『よくがんばりました』が押されているであろう右頬を、熱っぽい視線で見上げている。

「ねえ、プロデューサー」
 今度は夏葉が、俺の手にスタンプを握りこませた。

「……私にも、ちょうだい」
 夏葉の視線の意図は読めなかった。単に酔いによるものなのか、それとも他の感情が成すものなのか。だが、どうでもよかった。そんなことより夏葉の願いを叶えてやりたい。


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