【シャニマス SS】P「プロポーズの暴発」夏葉「賞味期限切れの夢」
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43: ◆/rHuADhITI[saga]
2019/08/18(日) 02:45:49.11 ID:oj63shz20
「私にとっては素晴らしい日でも、誰かにとってはそうじゃない。それはわかっていたわ。当たり前のことだもの。だけど、その誰かがアナタだと思うと、なぜか悔しくて、哀しくなって……そう感じてしまった理由を考えると、もっとわからなくなってきて……」

 とうとうと夏葉が語る。語り口に合わせて、次第に彼女の目の焦点が合わなくなってきていた。

「……それで、考えがまとまらなくなって……寂しくなって……」
「いつの間にか、眠っていた?」
「……え、ええ……そうね。答えが出なくて眠ってしまうなんて、学生の頃に戻ったみたい」

「そうかもな」
 俺はなるべく自然にアルバムを閉じた。また夏葉が眠りに落ちてしまうのではないかと危惧したからだ。

「ねえ」
 不意に夏葉がこちらに体を寄せてきた。身をよじり向き合って、彼女が俺の首元に手を伸ばす。喉仏の上部あたりに手が触れた。夏葉の瞳が俺を見上げている。

「な、夏葉、何を……」

「アナタは今が幸せ?」
 ほっそりとした白い指が、俺の首元を撫でた。

「……感情は伝わるものだわ。こうしてあげると気持ちって伝わるのよ」
 それは丸っきり飼い犬にするような動作だった。思わず「俺は犬じゃないぞ」と言いたくなる。

 だけど止めておく。夏葉は「あの子が」とも「カトレアが」とも言っていない。ならば俺が否定する必要はない。それに夏葉の指は心地がよくて、俺も犬みたいなものなのかもしれないと、そんな気がしてくる。



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