双葉杏「透明のプリズム」
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94: ◆YF8GfXUcn3pJ[saga]
2019/08/18(日) 03:04:38.82 ID:OJA0wgUK0


でも、もし、一週間後に答えを教えるつもりがなかったとしたら?
あるいは、一週間後に、なぞなぞの答えを私が催促する可能性が低いことを知っていたとしたら?

私があのなぞなぞの答えを彼に聞くことが出来なかったのは、「緑色の空」の話をした翌日に、プロデューサーの担当を外れることが決まったからだ。担当替えのごたごたに巻き込まれて、一週間後の私はなぞなぞのことをすっかり失念していた。


――もし、彼が担当替えのことを事前に知っていたとしたら?


突如私に舞い降りたその仮説は、瞬く間に現実味を帯びて私の脳内に浸透していく。
彼がもし担当替えの件を、「緑色の空」の話をした時点で知っていたとしたら。
彼があの話をした一週間後には、彼と私が面と向かって会話する機会は極端に減少する。何ならそんな機会が存在しない可能性だってある。
 

この二つの仮説を正しいとすれば、彼の取った行動はこんな流れになる。

彼は何らかの理由で、出題することだけに意味があって、答えを知られてしまうと意味がないなぞなぞを出す。
答えを言うのを一時的に先延ばしにするため、彼は一週間後に答えを教えることを約束する。
しかしその一週間後というのは、担当替えが行われた後だ。
彼と私が会う機会も理由も存在しないはずだ。
だから、その約束は有耶無耶にできる。




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