双葉杏「透明のプリズム」
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68: ◆YF8GfXUcn3pJ[saga]
2019/08/18(日) 02:47:52.15 ID:OJA0wgUK0



――やっぱり彼の行動は、全て独善に起因していたんじゃないだろうか?


 
急に頭の先を糸で引っ張られるような、そんな感覚を覚えた。
やっと腑に落ちた。
私は彼の言葉の背後に潜む独善を見抜けなかったのだ。
それは間違いない。
――でも、それは何故だ?

隠れていた?
違う。

隠されていたんだ。

悪夢から覚めたときのように、私は突然上半身を起こす。
あまりの衝撃だった。


プロデューサーは、言葉の背後に独善を隠していた。
それは決して過失じゃない。
故意だ。
独善を偽りの言葉で隠匿して、私を騙したんだ。
それは、何だ?

大人がよく使う、あれだ。
人類の英知が生み出した、便利なシステムを指す、あの言葉だ。

言葉にすれば、その事実は確かな質量を得て、私に圧し掛かってくる。


私は嘘を吐かれていた。
しかも、嘘を吐かれていたことに気付けなかった。




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