いつかの月が君に微笑む
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34:名無しNIPPER
2019/08/18(日) 13:11:14.44 ID:kTZG2sIxO
自分が好きと言われたわけではないけれど、その言葉には少しドキッとしてしまう。

「そっか。それなら良かった」

「カズくんは? 好きじゃないの?」

「うーん……嫌いじゃないけど」

生まれ育った場所だしね。とは言え、他を知らなさすぎる。好きとか嫌いとかを語れる土俵に自分はいない。

「瑞穂はどうなの? あっちのことは」

「うーん……嫌いじゃないかな」

その言葉には何も考えていない自分とは違い、色々な意図が隠されていそうな色が含まれていた。

「そっか」

と、曖昧な相槌を打つと、それからしばらく無言の時間が続いた。

「瑞穂は何で、アイドルになろうと思ったの?」

素朴な疑問だった。

進路に悩む俺に、何かアドバイスをくれないだろうかと、軽い気持で聞いたつもりだった。


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