14: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2019/08/10(土) 00:27:43.80 ID:k2me14jR0
「何見てたんだ……? あれ。メール送ってる? 凛に? ってこの写真!」
何をされたのか彼も気が付いたようで、絶叫が響く。
「さぁ、攻守逆転だね。プロデューサー」
「……何が望みだ」
「んー。どうしようかな。じゃあ、プロデューサーは今日一日、私に聞かれたことには全て、嘘偽りなく答えること。これでどう?」
「銀行口座の暗証番号とかナシだぞ」
「そういう悪質なのは聞かないから安心していいよ。だいたい、聞くわけないでしょ。聞いて悪用したとして、これからどんな顔でお仕事したらいいって言うの」
「それもそうか」
「だから、この条件でいい?」
「……まぁ、それくらいならいいよ」
「嘘偽りなく、だからね」
「わかってるわかってる」
「もし返答に嘘があったと判明したら、罰として私の言うことに何でも一つ従う、ってのも追加」
「めちゃくちゃ余念がないな」
「いつだって全力なのが私だからね」
「海だー、って全力で言えない癖によく言うよ」
「そんなこと、今の私に言っていいんだ?」
「あっ、何か悪質な質問をする気だな!」
「正解。プロデューサーの五日前のお昼ご飯、なんだった?」
「えっ、待って。昨日は事務所の近くの定食屋だろ? その前は時間なくて何も食べてなくて……その前は……待って、待って。三日前で既に思い出せない」
「ほら、早く五日前のお昼ご飯を嘘偽りなく教えてよ」
「待って待って待って。ハンバーガーだ! ハンバーガー! 凛が買ってきてくれたやつ!」
「ふふっ、当たり。ちゃんと覚えてたね」
「発想の転換だよ。凛が答えを知ってる俺の昼メシとは何か。そこから考えればすぐだった」
「まってまってまって、ってめちゃくちゃ慌ててたの見てたんだけど」
「あれは演技です」
「芸能人顔負けの演技力だね」
「今からでもなれちゃう? 俳優」
自分が不利な状況にあるというのに、相も変わらず彼は楽しそうで、からからと笑っている。
この男を困らせてやれるような質問は、どんなものだろうか。
35Res/51.99 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20