3:名無しNIPPER[sage saga]
2019/08/07(水) 22:00:03.32 ID:FXFeKFhtO
「いや〜助かったぜ、姉貴!」
用を済ませた彼は、白々しく感謝をしてきた。
「済んだなら、もう帰って」
「まあまあ、そう焦らずに」
「別に、焦ってなんか……」
なんとかして一刻も早く雪だるまから逃れたい私に対して、彼はまるで見透かしたように。
「姉貴もトイレがしたいんだろ?」
「……したくない」
「我慢は身体に毒だぜ? 荷物はオイラが預かっておくから、早いとこ済ませちまいな」
こちらを気遣うそぶりをしつつ、荷物に仕舞ってあるスゲーナ・スゴイデスのトランプを奪おうとするス・ノーマン・パーに戦慄し、改めて、油断出来ない相手だと思った。
「トランプは渡さない」
「悪いことは言わねぇから、さっさとよこせ」
「いやだ」
断固として譲らない意思を示すと彼は深々と嘆息して冷えた冷気を吐き出し、本性を見せた。
「てめぇのそのジャガイモ頭カチ割って脳みそストローでちゅーちゅー吸うぞガキィっ!?」
豹変した彼がこうして恫喝してくるであろうことは読んでいた。それでも怖くて、恐ろしい。
思わずおしっこが漏れそうになったが、ぐっと堪えて、私は荷物からスゲーナ・スゴイデスのトランプを取り出し、目の前に掲げた。
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