2:名無しNIPPER[sage saga]
2019/08/07(水) 21:58:26.06 ID:FXFeKFhtO
「そう言えば、姉貴」
「なに?」
「変なトランプを知らないかい?」
ほら、やっぱり聞いてきた。予想通りだ。
善人ぶっていても、その下には裏がある。
下心を出した雪だるまを、私は拒絶した。
「知らない」
「へぇ……そうかい」
「どっか行って」
「姉貴」
怯える私を見下しながら、雪だるまが尋ねる。
「今日、姉貴の家に行ってもいいかい?」
「……だめ」
即座に却下して、足早に立ち去ろうとすると。
「姉貴」
背に冷え切った声をかけられて、立ち止まる。
「実はオイラ、トイレがしたいんだ」
「勝手にすれば」
「公衆トイレまで案内してくれねぇか?」
どうして私がと、そうは思いつつも。
私の足は最寄りの公衆トイレへと向かう。
雪だるまの悪人は、その後ろをついてきた。
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