205:名無しNIPPER[saga]
2019/08/19(月) 18:00:15.46 ID:za88siOXO
雄叫びが終わると少年は電光石火の如く飛び出し、また魔物を翻弄する。苦戦している様に見えたけど、じわじわと倒しているのか。自分の体躯や得物を理解しての戦い方というのか、俺は少年に関心した。
「負けてらんないな…」
俺も距離を詰め、少し離れた所で剣を構える。真空刃を繰り出すと少年に当たる恐れがあるが、俺は何処か平気だろうという確信を持っていた。
「当たるなよ!少年!」
俺は袈裟斬りに剣を振る。少年は俺の声に反応したのか、すぐに距離を空けて退避する。数秒後、魔物の身体が斜めに血飛沫を上げる。
「ガアアアアッ!!!」
当たったが、ハイゴブリンの様には行かない。ダメージを与えたのは間違いないが、まだまだ動けるといった感じだ。真空刃がダメなら……。
強化した右脚で思い切り地を蹴ると、滑走するように一気に距離を詰める。それに合わせて魔物が鉈を振り下ろすが、右目と右腕の強化を使っているので受け止められるが、気を抜いたら押し込まれるな。
「少年!やっち…おお?」
鍔迫り合いの隙にトドメを少年に託そうとしたら、既に何かの構えを取っている。少年の足元には電気が走っていて、逆手に持った短刀は電気を帯びている。
瞬間、少年が電気音と共に疾走。目の強化のおかげで動きが見えるが、これはゲールの魔走に引けを取らない速さだ。
刃身を肩から腰にかけて短刀を振り抜き、地を削りながら勢いを殺している。
するとすぐに鉈を押し込んでくる力が弱くなり、魔物はその場に崩れ落ちた。
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