156:名無しNIPPER[saga]
2019/08/16(金) 14:59:42.31 ID:x2swtC+CO
「いやさ…ジャスミンは、ゲール達が西の大陸に行って更生すると思う?」
「あ……えっ…と…うーん…」
ジャスミンは煮え切らない様子だ、無理もない。奴らは野盗で、全てを奪い、命までも刈り取る悪党だ。あれくらいで更生するかと聞かれれば、するとは言い難い。
「ジャスミンは、あの時の俺の行動は……良かったと思った?」
「………」
返事は無い。たしかに、これは正解とかがあるような話ではない。個人の価値観によるモノだし、多くの人々を救う為に人を殺せって言われて、はいって簡単に頷ける話でもない。
恥ずかしい話だが、俺はああいう展開を漫画で見た事があるからこそ、あの方法を思い付けた。正解かどうかはわからないが、少なくとも俺の中で一番納得の行く方法だった。
「私は……男さんが剣を抜いた時…本当に怖かったです。後からすれば、考えがあっての事なんですけど……あの時の男さんの顔が…」
ジャスミンはそこで黙ってしまう。そんなに怖い顔していたのか俺は…逆に気になるな。
「男さんの行動の…善し悪しは……私にはわかりません。でも…あの選択は……とても良かったと…私は思います」
「お…そ、そっか…ありがとう」
誰かに自分の行動を肯定してもらうだけで、こんなにも胸のモヤが取れるのか。俺を気遣ってかは置いといて、そう言ってくれるのは嬉しい。
俺は壁の時計を見る。もうそろそろ張ってても良い時間だな。数字と思われる記号は分からなくとも、記号の位置や針の動きは同じなので問題は無い。
「えーっと……じゃあそろそろ、お風呂に…」
「……!は、はははいっ!」
354Res/270.58 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20