125:名無しNIPPER[sage]
2019/08/14(水) 17:40:57.46 ID:kgfHVtwqO
「気絶……」
そう言うとジャスミンは辺りを見回す。遠くで拘束されているダンテを見つけたのか、一瞬顔が止まり俺とダンテを交互に見やる。多分俺が野盗を倒したと理解してくれた。
「…あの……クレア様達は…?」
「先にノース帝国に行ったよ、俺はジャスミンを助けに馬車を降りたんだ」
「えっ……何…どうして……私なんか…」
俺の頭に稲妻走る。さながらロマサカでいう技習得時の電球がピコーンと音を鳴らすアレが俺の中で起きた。これは言うしかない、言うしかないだろう。まさか俺が言える日が来るとは思わなかった。
「誰かを助けるのに理由がいるの?」
「……」
言えたああああ!選んだ自分で言うのも何だけどこのセリフ最高だな!流石スクエ〇だなぁ!
ジャスミンは少し驚いた後、俯いてしまう。あれ、怒った?ミスった?
「……ありがとう…ございます、男さん」
「…!……ジャスミンが無事で良かった」
顔を上げたジャスミンの口角が上がっていた、顔全体を見なくても嬉しそうにしているのがわかる。俺も嬉しくなる。
「あ、怪我してると思うんだけど大丈夫?痛くない?」
「えっと…左腕が……ちょっと痛いですけど……大丈夫です」
「そっか…無理しないでね」
俺は立ち上がり、ジャスミンに手を差し伸べる。一瞬迷っていたが、ジャスミンは俺の手をとって立ち上がる。俺はそこら辺のヘタレ主人公共とは違って、手を握るくらいじゃ動揺しないぞ。
「これって依頼失敗……かな?」
「…そう……なるんですかね…」
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