24: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2019/08/03(土) 13:47:50.61 ID:f1uEgEbX0
しおい「へへ」
笑う。やさしく笑う。彼女はあくまで笑う。
男「…」
あぁ、そうか。
俺じゃあ無理か。
俺は伸ばした手を下ろした。
彼女の笑顔を見て、不思議と俺はすんなりと手を下ろせた。
しおい「そんなにひとりが寂しいの?」
男「うるせー。最初から一人で偵察に来てたんだ。今更気にするかよ」
しおい「なら良かった。あーでもでも、もし寂しくなったら図書館を訪ねるといいよ」
男「図書館?」
しおい「うん。学校は見たでしょ?そこの反対側にあるちっちゃいやつがそう」
男「なんだよ、人でも住んでるのか?」
しおい「人なんていないよ」
また一歩一歩船の先、縁の縁まで下がっていく。
しおい「ここら辺は、もうだぁれもいないんだ!」フッ
沈んだ。
水平線に沈む夕陽よりも早く、しおいは沈んだ。
チャプン、と。人一人が飛び込んだにしては不自然に小さい音がした。
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