23: ◆rbbm4ODkU.[saga]
2019/08/03(土) 13:47:15.49 ID:f1uEgEbX0
しおい「約束があるんだ。あんまりいいものじゃないかもだけど、約束は約束だから」
男「約束?」
誰かを待っているのか?でもだとしたら、その誰かはきっともう…
しおい「じゃ、私そろそろ行くね」
船の先頭で夕日を背にして立つ。
紅くボヤける彼女の輪郭はまるで今にも溶けて消えてしまいそうな儚さを、何より危うさを感じさせる。
男「なら、ならせめて一緒に島に」
手を伸ばした。彼女を繋ぎ止めようと。
ここで彼女を手放したらその喪失感にきっと俺は耐えられない!
しおい「おっと」スッ
一歩。しおいが一歩だけ後ろに下がる。
たったそれだけで伸ばした手が空を切る。
僅かに一歩届かない。
遥かに一歩届かない。
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