67: ◆v0AXk6cXY2[saga]
2019/08/18(日) 15:25:48.03 ID:BON9hvjh0
『け、結果的には、そうなるかもしれません。ですが、後悔はないです』
「……なるほど」
社長は何かを考え込む素振りをした。そして数瞬後、
「ではそうだな。例えばの話をしよう」
と言った。
『例えば……ですか』
「そうだ」
そして彼は、なんとも耳を疑う発言をした。
「君がプロデューサーたり得るとの証明が出来たかどうかを問わず、君を採用すると私が言ったらどうするかね?」
がつん、と頭を殴られたような衝撃。俺を採用? プロデューサーとして? さっきとは別の意味で、体が震えた。夢が叶う。
拒む理由なんて、無かった。
『――お』
だのに。
『お断り、します』
脳裏を過ったのは彼女の後ろ姿。どうしても焼き付いて消えないそれが、どうしようもなくその言葉を言わせた。
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