モバP「持たざる者と一人前」
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35: ◆v0AXk6cXY2[saga]
2019/08/15(木) 16:28:41.47 ID:p4U+w2zG0
「面白い話だ。君がアイドルのプロデューサー、か。いいじゃないか、私は興味がある。我がプロダクション初のプロデューサーが君ということに」

 耳を疑った。正直、夢かな? と思って何度か社長の目の前で頬をつねった。

 何せ俺の荒唐無稽な夢の話を聞いて馬鹿にしたそぶり一つ見せず、あまつさえ俺をプロデューサーとして雇うことに興味がある、とまで言い出したのだから。

 そしてそんな俺を見ながら大笑いして、そして彼は言った。

「だが代わりに見せてほしい、君がプロデューサーたりえるのかを。それができればぜひ、ウチに来て欲しい。一か月だ。一か月以内にそれを証明してみたまえ。準備が出来たならここに連絡するといい。では、またな」

 そうして社長は名刺を俺へ押し付けると、呆然とする俺をほったらかしにして去っていった。その後ろ姿がえらくウキウキしていたのは気のせいだろうか……。

 ともかく、期せずして俺は一縷の望みを得た。得たのは良いのだけれども……この望みはあまりに細く、儚いものだ。

 社長に言われた「プロデューサーたりえることを見せる」とは、果たしてどうすればいいのか。シンプルな意味でいえば能力を見せろ、ということなんだろうけれども。さっぱりわからなかった。具体的に何々をせよ、と言われたわけではないからなおのことだ。

 しかも期間は一か月。どうすればいいかと、ないアイデアを絞って、絞って、絞って。そして考えて、考えて、考えて――結局浮かんだ結論は。



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