未来「翼と入れ替わってたときの話」【ミリマス 】
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20: ◆z80pHM8khRJd[saga]
2019/07/30(火) 00:26:11.43 ID:UbedML5p0
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午後からはレッスンだ。ダンスレッスンの先生はちょっと怖い人だけど、今日は安心安心。だって私は翼なんだから。
最初は私の姿の翼がダンスをした。自分が踊る姿を見るなんて不思議な気分だったけど、改めて思った。変な気ごちない動きだなあって。
一通り、翼のダンスが終わって、次は私の番になった。
「では次、伊吹さん入って。まず通してやってみよう」
「はーい!」
音楽が鳴り始める。私は意識を集中させる。……! 勝手に体が動く。何も考えていないのに。まるで昨日までとは違う。うろおぼえな部分も、まだできないステップも別人のようにできる。いやぁまぁ別人なんだけど。おまけに次はどうすれば動けばいいか、ずっと先まで見えてくる。表情を付けてみようか、なんて余裕さえある。次はこうやって、それで最後にこう!
決まった。周りのみんなが息をのむ。私の息が上がっているのは踊ったからもあるけど、ホントは自分自身への胸の高鳴りと興奮だった。目立った才能がない自分が天才になれたんだ。ずっとずっと努力しても手に入らなかったものが今はあっさり手に入る。高揚感っていうのかな? 胸のドキドキはとまらなかった。
「さすが伊吹さん。ちょっとアレンジも入れてみようか」
トレーナーさんからも大好評。それを受けて私が元気よく「はーい!」と返事をした。
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