24:名無しNIPPER[saga]
2019/07/26(金) 17:45:41.23 ID:XLNzjGnq0
「――はい。はい。そういうことでして、本当に申し訳ございません。はい、ええ、ええ」
不浄な物大作戦は幕を開けていた。とりあえず、ロッジにある使えそうなものはすべてかき集めた。アイドル三人には買ってきていた飲み物を全て飲み干してもらっている。
空いたペットボトルにどんどん液体を溜めてもらうことが、霧子の言う撃退のための条件の一つとなっている。アイドルにさせることじゃないというまっとうな意見も、生死をかけたこの場面では当てはまらない。
一方の俺も、ある意味では生死をかけた電話をしていた。
ことの経緯を社長に話してから、今回この仕事を紹介してくれた社長の知り合いの方に取り次いでもらい、起こったことを話した。
その人の話を聞くところによると、あの裏山は、地元の人でも滅多に入らない曰くつきの山だったらしい。
関係があるかはわからないが、近くの別荘の社長も、昔、裏山で首吊ってるとか。
代役のドタキャンという形になってしまい、何を言われても仕方のない覚悟をしていたが、案外寛容だった。
というのも、元々ロケの中に肝試しも視野に入れていたらしく、それでこの場所を取ったというのだ。といっても、元々出演予定だったタレントがNGを出したためその案は消えたそうだが。
そういう経緯があって今回のことが起きたため、謝っても謝り切れない、といったことを伝えられた。
言いたいことがないわけでもないが、無理もないと思う。俺も、以前まではそういったものを全く信じていなかったから。
社内から応援(といっても、撮影スタッフかもしれない)を出そうかと聞かれたが、あまり時間もなく、それに霧子が言うには仮に見てしまったら被害が広がる可能性があるとのことなので、断った。
だたし、夜になってもこちらから連絡がなかったら警察に電話して欲しいとお願いした。妖怪を見たとアイドルから通報があったとしても信用してもらえるとは思えないが、行方不明ともなれば話は別だろう。
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