有栖川夏葉「とっておきの唄」
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5: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/07/20(土) 23:45:33.57 ID:+a76L7SS0

彼が消灯をして回っているのだろう。

届いていた廊下の明かりがなくなって、おそらく事務所で点いているのは私の頭上にある二本の蛍光灯のみとなる。

なんだかスポットライトみたいだな、とどうでもいいことを考えながら洗い物を終える私なのだった。

「ごめんな。洗い物させちゃって」

「私が用意したくて用意して、その後始末をしただけよ」

「そっか。ありがとう」

「ふふ、そっちのが嬉しいわね」

「そっち?」

「ごめん、よりもっていうこと」

「あー。なるほど」

「次からは最初からそっちでお願いしたいわね」

「善処します。……じゃあ、帰るか」

彼は事務所の鍵を指にかけて、くるくる遊ばせ、言う。

少し名残惜しい気もしたが、明日の休日を楽しみにしている人間をこれ以上引きとめるのも申し訳がないため「ええ」と返す。



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