有栖川夏葉「とっておきの唄」
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6: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/07/20(土) 23:47:06.47 ID:+a76L7SS0

揃って事務所を出ると、肌にまとわりつくようなむわっとした風が私たちを襲った。

「うわ。ヤな空気だなぁ」

「蒸し暑いわよね」

「ホントに。日本の夏って感じ」

「アナタは夏、嫌い? それとも好き?」

「うーん、どうだろう。好きなところもたくさんあるけど」

「暑いのは嫌い、ってところかしら」

「そんなとこだ」

「暑いから夏なのに」

「まぁ、そうなんだけど。夏葉は夏と言えば何を連想する?」

「夏と言えば、有栖川夏葉の季節?」

「それは夏葉がよくやってるコールアンドレスポンスだろ」

「うふふ、バレたわね」

「そりゃバレるよ」

「真面目に答えると……そうね。お祭り、花火、スイカ、蝉の声、ひまわり、麦わら帽子、入道雲、それから……海かしら」

「いかにも夏! って感じのラインナップだ」

「プロデューサーはどう?」

「俺は……そうだなぁ。やっぱり一番に出てくるのは海かなぁ」

「海、良いわよね」

「広いし?」

「ええ」

「青いし?」

「そうね」

「水がいっぱいあるもんな」

「無理してまで海で話を広げようとしないでいいわよ?」



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