魔王「魔物使い、貴様はどのような世界を望む?」魔物使い「ほえ?」
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8:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/18(木) 23:18:14.89 ID:Yz/20wypO
「こほんっ……とりあえず、魔物使いよ」
「なんですか?」
「ひとまず服を着替えよ」
「はい! ですが、うーん……困りました」

魔王がわざわざ持ち寄ったは衣服を手渡すと、それを恭しく受け取った魔物使いであったが、何やら難色を示し一向に着替えようとしない。

「我が選んだ衣服は気に入らんと申すか?」
「そ、そんな、めっそうもございません!」
「ならば何故躊躇する?」
「いや〜それが、お恥ずかしながら、実は、着替えを見られるのが恥ずかしい……みたいな」
「はあ?」

魔物使いのその言い分の意味が理解できず、思わず魔王は間抜けな声を出してしまった。
要するに、何言ってんだこいつ、状態である。
とはいえ、いつまでも首を傾げていては魔王として他の者への示しがつかないだろうと思い、至極当たり前の状況説明をしてやった。

「見ての通り、この牢は闇の牢獄である」
「はい。どうもそのようですね」
「ならば、恥ずかしがる必要はなかろう」

漆黒の闇に覆われた牢獄で肌を晒したとしても誰にも見えないだろうと、そう説明すると、魔物使いはニタリと笑って反論してきた。

「お言葉ですが、魔王様」
「なんだ?」
「魔王様には見えてらっしゃるのでしょう?」
「な、なんのことだ?」
「おとぼけになっても無駄です。魔王様の赤くて綺麗なお目々が闇の中で輝いております故」
「なっ!?」

魔物の王たる魔王の眼は、闇を見通していた。


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