魔王「魔物使い、貴様はどのような世界を望む?」魔物使い「ほえ?」
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名無しNIPPER
[sage saga]
2019/07/18(木) 23:15:31.85 ID:Yz/20wypO
「貴様は我を恐れんのか?」
「恐ろしくて、小便を漏らしました」
「汚らしい人間め。汚した床を掃除しろ!」
「へぶっ!?」
小便を漏らした人間を魔王は踏みつけた。
グリグリ、ゴリゴリ、執拗に蹂躙する。
自らの尿に塗れた人間は読んで字の如くボロ雑巾と化して、床を拭う道具として扱われた。
「酷く臭うな。もうよい。下がれ」
「魔王様、この者の処遇はいかがしますか?」
「地下牢へぶち込んでおけ」
「はっ! おら立て! 立たんか糞虫が!」
尿塗れの薄汚い魔物使いを荒々しく衛兵が引きずり、魔王城の地下にある牢獄へと向かう。
そこは一切の陽の光が届かない暗い暗い場所で、常人ならばすぐに発狂するであろう漆黒の闇が魔物使いを包み込んだ。何も見えない。
どれだけの時間が流れただろう。
魔物使いは座り込み、黙って膝に顔を埋める。
眠っているわけではなく、彼は待っていた。
「……起きているか?」
「魔王、様……?」
そして待ち人は来た。いや、人ではない。
ハッとして顔を上げる魔物使いの眼前に。
闇の中、足音も立てずに、魔王が現れた。
「着替えと、食い物だ」
「な、なんで……?」
「周りの者達に配慮する必要があったのでな」
魔王である己は魔物の王。
故に、魔物使いには厳しく接した。
だが、本心では興味深々であった。
「許せよ、魔物使い」
「ゆ、許すなんてとんでもない!」
「ふふっ……もっと踏んで欲しかったか?」
「はい! そのつもりでずっと待ってました!」
「え、冗談のつもりだったのだが……」
どうやら彼は踏まれて悦んでいたらしく、やはり魔物使いは頭がおかしいと魔王は思った。
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