魔王「魔物使い、貴様はどのような世界を望む?」魔物使い「ほえ?」
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4:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/18(木) 23:08:15.32 ID:Yz/20wypO
「とにかく、その魔物をこちらに引き渡せ」
「はあ? 何を仰っているのかわかりません」
「いいから、早くこちらへ寄越すのだ!」
「嫌ですね」

兵士に対して何言ってんだこいつ、みたいな目をして、魔物使いは引き渡しを拒否した。

「……ならば、覚悟はあるのだろうな?」
「僕を誰だと思っているのですか?」
「魔物使いだろう」
「はい。僕は魔物を愛する魔物使いです。だからこの命は愛する魔王様に捧げるつもりです」
「……狂人め」
「狂おしいほどに、僕は魔物を、愛している」

もはや問答は不用であり、無意味だった。
兵士は切り掛かり、魔物使いは逃げなかった。
鮮血が飛び散り、呆気なくその場に倒れ臥す。
彼に戦闘力はない。あまりに無力だった。
そんな魔物使いに、幼い魔王が駆け寄った。

「ぴー! ぴー!」
「ああ、泣かないで。僕は平気だよ」
「ぴー! ぴー!」
「ふふっ……君を見ていると、昔飼っていたドラゴンの赤ちゃんのことを思い出す。あの子から引き離された時に僕は誓ったんだ。必ず人間に復讐してやると。だから、君にお願いがある」
「ぴー?」
「僕を食え」

魔物使いは懇願する。憎しみと野望を込めて。

「僕の血肉を力と変えて人間共を蹂躙しろ。愛する君と、愛する全ての魔物達が穏やかに、健やかに暮らせるように……世界を変えてくれ。お願いだ。お願い、します……魔王様」

魔物使いの最期の願いを、魔王は聞き入れた。


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