魔王「魔物使い、貴様はどのような世界を望む?」魔物使い「ほえ?」
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3:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/18(木) 23:06:08.43 ID:Yz/20wypO
ある日のこと。

「その魔物は危険だ。一刻も早く駆除せねば」
「はい?」

魔物を育てる魔物使いは兵士に取り囲まれた。
いきなり自分の魔物を危険物扱いされ、事もあろうに駆除するなどと物騒なことを言われた魔物使いが困惑し、そして動揺していると。

「お告げが下ったのだ」
「はあ、そのお告げとはどのようなもので?」
「魔王が降臨したと、天から警告が下された」

魔王。それは魔物の王に他ならない。
それを耳にした魔物使いは固まった。
あまりのことに状況が飲み込めなかった。

「ほほう……なるほど。そうか。そうですか」

しばらくポカンとしていた魔物使いは。
傾げていた首を、ぎこちなく巡らせて。
兵士達を睨め回すと、ニタリと笑った。

「ついに、天罰が下ったと、そういうことか」
「天罰だと!? 何をふざけたことを……!」
「ふざけているのはどっちだぁ! 糞共がぁ!」

豹変した魔物使いが兵士に呪詛を喚き散らす。

「お前ら人間が魔物を蹂躙してきた天罰だ!」
「世迷言を抜かすな! 貴様も人間であろう!」

そう兵士が一喝すると、魔物使いはその豹変ぶりが嘘のようになりを潜め、静かな口調で。

「ええ、そうですよ。僕は……僕も人間です」
「ならば魔王の脅威を理解出来るだろう!?」
「ええ、もちろん。怖いですね……怖いなぁ」

身を震わせながら、魔物使いは笑っていた。

「ああっ! 怖くて堪らない! ゾクゾクする!」
「貴様、気が触れたのか…?」
「楽しみだなぁ! 人間が駆逐されるその日が! その瞬間が! ああっ! 生きていて、良かった!」
「……狂っている」

目を血走らせながら笑う魔物使いは完全に壊れており、そしてどうしようもなく狂っていた。


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