【モバマス】 木村夏樹「道とん堀には人生がある」
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31:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/15(月) 04:39:12.73 ID:VQj+6fZHO


「……元気になったな、夏樹」


 そして、不意にそんなことを言う。


「よし! こうなったら食べ放題頼むぞ!」
「えぇ!? 食べ過ぎたら運転危ないだろ!?」
「逆だ! 食べないと運転できないからな!」
「……どうなっても知らないよ、アタシは」
「すいませーん!」


 プロデューサーが不意に見せた優しさを前に、夏樹は胸の高鳴りを覚える。
 聞こえないふりをして、わざと呆れてみせた。


「お待たせしましたー」
「この『道とん堀コース』を二人分と、それから飲み放題のドリンクバーを二つお願いします!」
「かしこまりましたー! ご新規のご注文頂きましたー、ぽんぽこぽーん!」
「……!!」


 注文を済ませると、予想だにしなかった「ぽんぽこぽーん」が店内に響き渡る。


「ぽ、ぽんぽこぽーん!」
「プロデューサーさん、恥ずかしいからやめてくれ」
「……ほらな、願えば叶うんだ」


 したり顔のプロデューサーに呆れ返る夏樹だが、同時にそんな彼を愛おしく思う彼女であった。


「よし、やっていくか!」
「お、プロデューサーさんが焼いてくれるのか?」
「任せろ」


 やがて注文の品が届けられ、食べ放題の時間が始まる。
 この店は自分たちで焼いて、作って食べるシステムであり、昨今流行りのDIYといった様相である。
 そんな鉄板DIYは人によっては面倒だと思われるが、自分で作る楽しみがあり、そこから生まれるコミュニケーションもあって、まさに鉄板アミューズメントと言えるだろう。


「まずはお好み焼きから……」


 最初二人が頼んだのは、「ソウル」と「スジ牛」というお好み焼きと、「もち明太子チーズ」というもんじゃ焼き。
 定められたメニューの範囲であれば、どれも食べ放題なのがこのコースである。






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