【モバマス】 木村夏樹「道とん堀には人生がある」
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13:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/15(月) 02:55:38.38 ID:VQj+6fZHO


(さて、どうしたものか……)


 翌日、事務所にて。昨日高らかに宣言したのはいいものの、具体的な方法が思いつかないプロデューサー。
 複数のプロデューサーが事務作業を行う事務室には、今は彼の姿のみで他は出払っている。
 正午前。夕方のワイドショーに告知のため生出演することになっている夏樹が、そこにいるのは当然といった雰囲気を纏って彼の隣に座っている。


「どうしたんだ? プロデューサーさん」
「……」


 休憩スペースやタレントの待機室や応接スペースでもなく、夏樹は事務所へ来ると当たり前のように彼の隣に座る。他のプロデューサーやアイドルがいようがそれは変わらず、今や日常の風景となっていた。


「夏樹、俺は仕事中なんだ。後は分かるだろ?」
「何だよ、いつものことだろ?」


 襟ぐりの広いTシャツ、その下にはチラリと顔を覗かせるタンクトップ。大腿部を露出したショートパンツ、オールスターの真っ赤なハイカットスニーカー。夏を先取りしたような出で立ちの彼女。
 そんな彼女はいつものように飄々と、そして華やかとした態度でそこにいる。


「プロデューサーさん、疲れてるのか?」


 お前のことでな――とはもちろん言えないプロデューサーは、ただ黙って自分の手元に集中しようと視線を落とす。


「何とか言えよー、おらおらー」
「お前な、暇があるなら今日の進行でも確認しとけ」
「完璧。もう頭に入ってるよ」
「じゃあ他のことしてろ」
「何か今日冷たいな、プロデューサーさん。やっぱ疲れてるだろ」
「お前、俺の身にもなってみろ」
「……?」
「お前がそのベストポジションを見つけてから、俺が他のプロデューサーに何て言われてるか――」
「どういうこと?」
「そこは察してくれないか」
「ハハッ、アタシは全然構わないけどねっ!」
「……だめだこりゃ」


 いつもと変わらない……。だが、その一方で彼は違和感を覚えていた。






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