鷺沢文香「本に、命を」
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3: ◆jEbRvHU8C2[sage saga]
2019/07/14(日) 15:51:06.78 ID:UfnhAP/w0
その日、私にひとつのお仕事が入りました。
とは言っても、いちアイドルに対してではなく、古書店の店主からの雑用と言いますか、
要は叔父さんのお店のお手伝いです。

アイドルになる前は、…いえ、アイドルとしてデビューしてからも、
何かとお世話になっている叔父さんですから、断る理由はありません。
加えて言えば、そのお仕事は『叔父さんが所有する物置から本を運び出すコト』でした。
単純な力仕事だけでなく、踏み台を用いての高所作業も必要になってくるものです。
運動神経のよろしくない私ですが、それでも歳を召した叔父さんよりは動ける自負があり、
ゆえに叔父さんにさせてしまうわけにはいかないお仕事。
幸いにも急ぎではないとのことで、それならば次のオフの日にでもと考えながら、
プロデューサーさんに念のためのスケジュール確認を行いました。

そうして。
オフに何かあるのかと尋ねられ、正直に答えたところ、
偶然にも同じ日にオフだったプロデューサーさんも、私と同行する運びとなったのです。


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