25: ◆jEbRvHU8C2[sage saga]
2019/07/14(日) 16:04:08.55 ID:UfnhAP/w0
私は視線を落とします。
とは言っても、いまこんな事をするのはプロデューサーさんくらいで、
視界に映ったのはやはり彼が絶え絶えに伸ばした腕で、
まるで絞め技をかけられて降参のタップをするプロレスラーのように、優しく力なく再びぽふぽふと。
気付けば尻下まで伝っていた温もりは消し冷えていて、
触れている源泉箇所から既に温もりの提供が途絶えているようで、つまりはもう鼻血は止まって居て、
そういえばいつの間にか咳き込みも聴こえなくなっていることにも気が付いて、
それはもはやプロデューサーさんの顔を締め付けることもスカートで囲う必要もなくなったということです。
私は慌てて脚を左右に開きました。
同時にぬちゃりと水音ひとつ、締め付けから解放されたプロデューサーさんが顔を上げます。
それを邪魔してしまわないようスカートの裾を掴んで。するりと引き上がるスカートの中から、
真っ赤に染まった顔のプロデューサーさんが出てきました。
やはり血は既に止まっていたようで、けれども茫然と手で鼻を押さえましたので、
今度こそハンカチを差し出します。
ハンカチは汚れをキレイにするためのモノで、汚さずにとっておくモノではありません。
以前に読んだお話で主人公の血を拭ったヒロインをこんな状況でつい気取ってみたのは、
私が冷静さを取り戻したからか、それとも逆に何か壊れてしまったのか。
と、差し出しながら、プロデューサーさんの視線が私とその足元とを交互に見ていることに気付き、
…ようやく、脚を開いてスカートがべろりとめくれていることを想い出しました。
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