鷺沢文香「本に、命を」
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24: ◆jEbRvHU8C2[sage saga]
2019/07/14(日) 16:03:24.38 ID:UfnhAP/w0
そんなことを考えていると、ぬらり、ぬちょりと染み広がる生ぬるさ。
止まらない出血に痛手の深さを想うとともに、濡れ広がる感覚と温度に、
…まるで粗相をしてしまったように感じてしまって、
ぞくりと背中を駆ける気恥ずかしさに、たまらず少し身震いしました。

ふと、ひとつの実験を想い出します。
目隠しをした被験者の身体に刺激を与え、その箇所にぬるま湯をかけ続けると
『そこを傷付けられ出血している』と脳が誤認してしまい、
そのまま続けるとショック症状を引き起こすというもの。
近年ではそうした誤認を利用し、排することが困難な身体への感覚を呼び覚ます刺激に転用できないか研究が進んでいるようで、こうして私の意思でスカートに招いて、私の意思で顔を押さえ込んでいなければ、私の意思とは関係なく、刺激により促されて抑え込んだ顔を汚してしまうことになって、いえ、そうなればもしや血を洗い流せそうでむしろ良い結果に繋がるのではないか、などと考えは彼の咳き込みとその振動に遮られてしまい、思わずぎゅぅっと必要以上に脚を締め閉じてしまって、…ああ、ああ、安心と静けさにようやく現状の理解が追い付いてきました。

頭が冴えてしまうほど蒼ざめるように血の気が引いて、まるでその熱を移動させたようにスカートの奥が熱くなってしまって、そのハズなのに今度は頬が風邪でもひいたようにひりひり熱くなり、連動するようにスカート奥も熱を帯びて、そこは紛れもなく私の大事な部分であり、そんなところへ彼の顔をぎゅうぎゅうと密着させて、ここまで血に濡れたらきっともう履けないでしょうから、ありすちゃんにごめんなさいしなければいけない事象、いえ、いっそむしろ全体を染めてしまえば彼女の愛するイチゴのように、否、否、それではやはりお揃いではなくなってしまうので、それならばありすちゃんも彼をスカートにお招きすれば解決するのではないでしょうか。

ああ、そもそもが彼の顔に落下したことが原因で、殿方の尊顔に股尻を乗せる女性はやはりお嫌いですか、私は嫌われてしまってアイドルも続けられない流血沙汰で、ああ、それならばいっそいま、もっと貴方が血を流す以上に私が催し排して洗い汚しておくべきなのでしょうか。

めくるめく想い出が走馬灯として領空侵犯してくるように、次から次へと浮かんでは消えるカタチにならない思考、
それにブレーキをかけたのは、私の足を軽く叩く感覚でした。


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