鷺沢文香「本に、命を」
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12: ◆jEbRvHU8C2[sage saga]
2019/07/14(日) 15:56:05.84 ID:UfnhAP/w0
直接の手渡しによる返却でしたから、どうしても持ち主とお話をすることになりまして、
つまりはその反応を直に見ることとなるのです。
続けるうちに私は気付いてしまいました。

探し物が見つかったと喜ぶ姿より、そんなものもあったねと面倒さを前面に出すヒトや、
もう要らないからと処分を任せるヒトの方が、圧倒的に多いことに。

忘れてしまえる不要なものは、誰からも求められていないというもので、
ゆえに帰還を喜んで貰えるものでは決してなくて。
そうした『拒絶』から、嫌われていく姿を見ることのないように、眼を背けるようになったのです。

私にとって大切だからと、いつしか栞に自身を重ねてしまうほどに思い入れをしていたがため、
それを否定されてしまうようにも感じて、…ともすれば、自身さえ嫌われてしまうように思えたのでしょう。
そういえば、嫌われてしまうくらいならばと他者と距離を置くようになったのは、
今にして思えば同じ頃だったような気がします。
と思い返していて、ここでようやく、完全に作業の手が止まっていて、
プロデューサーさんをお待たせしてしまっていることに気付きました。


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