鷺沢文香「本に、命を」
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13: ◆jEbRvHU8C2[sage saga]
2019/07/14(日) 15:56:52.23 ID:UfnhAP/w0
優しい方ですから、…入口の時と違って、私の話を遮らないよう黙ったままでいてくれたのでしょう。
ともあれ急いでフォローしなければと、ひといき吐く風を装いながら眼の前の1冊を取り、言葉を続けます。

今でこそこんな風に冷静に思い返して分析できている私ですが、
こうしてアイドルという誰かに見られる状況でなければ、きっと仕舞い込んだままだったでしょう。
ファンタジーな世界に救いを求めて逃げ込むように、ともすれば本を途中で閉じるように、
とせめてアイドルらしくデビューで歌った歌詞をもじりながら。
もっとも、弁明目的だけの空言というわけでもないのですが。

そうして話をしながら作業が進んで、ふと、栞についての話題に戻ってきました。
さきほどと同じ失敗をしないためにも、今度は楽しい話にできるようにしっかりと内容を選んで。

栞1つとっても個性が出るもので、
中には読む本の装丁に合わせて1冊毎に用意する人も居るとウワサを耳にしたことがあります。
使い易さを主に考え、引き抜いたり持ち易くするためにリボンを少し結んだり、
本を開く邪魔をしないよう薄い紙を使用したり、
あるいはページに挟むのではなくページをクリップのように挟むカタチのもあるようで、
私も趣味でいくつか作成してみているのですが、ひとつひとつにお話を託すようで、
なかなかに深みを感じるものであります。


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