10: ◆jEbRvHU8C2[sage saga]
2019/07/14(日) 15:54:51.26 ID:UfnhAP/w0
改めて背表紙を読みながら確認の作業。
…残念ながら、目的の本は見当たりません。
寝重なる群れも同じで、これが意味することは、すなわち。
次列を確認する必要があり、そのために最前列を取り出さなければならないということです。
下で待つプロデューサーさんに向かって、そっと首を横に振ります。
仕方ないよな、という苦笑いがマスク越しに見えました。
最前列の最上段に君臨していた1冊を、他を道連れに雪崩てしまわないよう気を付けながら引き抜いて、
下で待つプロデューサーさんに手渡します。
それをしっかりと受け取りながら、その表情は心配へと戻ってしまっていました。
確かに私も、眼の前で叔父さんがこの高さでこんな作業をしていたら、
同じ表情でオロオロしていたかも知れません。
得てして世の中、勝手に心配する側が多く重いほど、
心配をかける側にとっては本当に何でもない場合が多いものだと、そう謳ったのは誰であったか。
などと雑念に思考を委ねながら、また1冊。そうして何冊か両の手に積み重ったところで、
プロデューサーさんが口を開きました。
私は見逃していたのですが、どうにも1冊、栞が挟まったままのようでした。
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