146: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/14(日) 23:06:10.08 ID:8naFKaaW0
アンツィオは、本当は弱いのだろうか。
時折、頭をもたげるようになったその考えは、アンツィオの学園艦へ帰った後も続いた。
その度に私は首を振って頭の中から追い出したが、それでも何度も何度も復活する不安は、まるで呪いのようだった。
147: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/14(日) 23:07:56.63 ID:8naFKaaW0
このままではプラウダは大洗に勝利してしまう。
ループ脱出のため、前回のプラウダの戦術を大洗の連中へ密かに伝えることもできただろうが、そんな気も起こらなかった。
ひたすら戦車道の練習やバイトへ打ち込んでいると、あっという間に一週間が過ぎ去った。
148: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/14(日) 23:09:40.19 ID:8naFKaaW0
けれど今度は、大洗だけでなく、プラウダの奮戦にも目がいった。
思いのほか大洗が手強かったのだろう、いくつかの車輌が大洗に撃破されてしまった。
カチューシャは動揺している様子だったが、T-34/85が大洗のM3リーを撃破したのを皮切りに体勢を立て直し、そのまま大洗を押し切った。
149: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/14(日) 23:11:30.30 ID:8naFKaaW0
13回目の6月26日。
ベッドに横たわったまま、起き上がらずに思考へ沈む。
150: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/14(日) 23:13:12.55 ID:8naFKaaW0
では、果たして私はどうなのか。
情熱はあるか。覚悟はあるか。
151: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/14(日) 23:15:08.17 ID:8naFKaaW0
――いや、しかし。いやしかしだ。
そうやって自分を問い詰めたところで、だからどうしろというんだ。
152: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/14(日) 23:16:46.80 ID:8naFKaaW0
「あー、ほんとドゥーチェはめんどくさいっすねー。じゃあドゥーチェの戦車道ってなんなんすか?」
「……ん」
153: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/14(日) 23:18:02.71 ID:8naFKaaW0
何も返すことができなくて黙っていると、しばらくしてペパロニから言葉が放られた。
「……で?」
154: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/14(日) 23:19:22.22 ID:8naFKaaW0
「そりゃあ、楽しいのが、私の戦車道だ!」
「負けて楽しいすか?」
155: ◆JeBzCbkT3k[saga]
2019/07/14(日) 23:21:02.61 ID:8naFKaaW0
「なんすか? 負けてもまぁ楽しいっすけど、悔しさもあるっすよね? 少なくともわたしは悔しいっすよ」
「う、ぅうう、そ、そうかもしれないがなあ」
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