53:名無しNIPPER[saga]
2019/07/09(火) 00:32:25.27 ID:zmX2O7Gg0
――ヴォルフス王宮
環「お義兄様!」
恵美「やぁターニャ、久しぶりだね。挨拶している暇もないのがもどかしいところだけど……そっちがイグナスくんだね」
育「イグナスです。お初にお目にかかります、メルセデス王子」
恵美「兄貴みたいなものなんだから堅苦しくなくていいよ。僕もイグナスと呼ばせてもらうよ。さて、僕は何も手をこまねいていたわけじゃない。作戦はある」
育「作戦、ですか」
恵美「僕らには切り札が二枚ある。うち一枚はターニャ、君だ。ミランダから聞いた話によれば、あの悪魔は君の持つ先祖の力を恐れている」
恵美「だけどまだ子どもで戦った経験もない君をいきなり悪魔に差し向けるのは僕も反対だ。だから段階を踏みたい。君が出るのは全ての軍隊が突破されてからだ」
環「ターニャならだいじょうぶ! イグナスがいればおおかみの姿で戦えるぞ。それに街の人たちがピンチなのに、放っておけないよ」
美也「どうやら市民の避難はまだ完了していないようです。姫様があのお姿でいきなり出て行かれては、かえって混乱させることになるかもしれませんね」
環「うぅ、そうだったね……。それよりお義兄様、今夜は満月じゃないから、ターニャ変身できないぞ」
恵美「そのことなら心配いらないよ。既に手は打ってあるから。そしてもう一枚の切り札は――」
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