八九寺真宵「はにかみましょうか?」阿良々木暦「是非お願いします!」
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5:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/06(土) 21:12:07.04 ID:p06yTTmjO
「そろそろ、おしっこ出そうですか?」

あれからどれくらいの時が流れただろう。
体感的にはごく短いひとときのように感じられたが、それなりに時間は経っているらしく。
流石に疲れた様子の八九寺を、僕は気遣った。

「八九寺、疲れたか?」
「そうですね、ちょっと疲れてきました」
「いいんだ。無理はしなくていい。出なかったら出なかったで、諦めることにする」

何事も諦めが肝心である。
そもそも耳を甘噛みされておしっこを漏らす方が稀であり、特異体質であると言えよう。
凡庸な僕には、その才能がなかっただけだ。

だから八九寺が気にすることなんてないのに。

「諦めるなんて、言わないでください!」
「八九寺……」
「私が経験不足なのは自覚しています。なにぶん、男の人の耳を開発するテクニックを身につけていないので、阿良々木さんにはさぞもどかしい思いをさせてしまっているでしょう」

悔しそうにそう語る八九寺は、幼い頃に落命したこともあり、どうしても経験不足であることは否めない。しかし、それがどうした。
それでも、一所懸命、僕の耳を噛んでくれた。
ならば、そんな八九寺に僕は報いたいと思う。

「それでも私は、阿良々木さんに……!」
「ありがとう、八九寺。その気持ちだけで、もう充分だ。すげー気持ち良かったよ」
「それは……幼い私に対する、同情ですか?」
「同情なんか、するもんか」

思うがまま、正直に、僕は白状した。

「僕はただ、幼い少女に耳を噛まれて思わず、おしっこではなく、糞を漏らしただけだ」

誠に残念ながら、僕に幼い少女に耳を噛まれておしっこを漏らす才能はなかったが、その代わりに、糞を漏らす才能だけはあったらしい。
ただそれだけのことであり、それが全てだった。


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