阿良々木暦「神原、何か飲むか?」神原駿河「私は阿良々木先輩の汗でいい」
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9:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/05(金) 23:17:08.69 ID:vXBrfRKkO
「腸なだけに、帳消し……」

僕のとびきりしようもない冗句を聞いて。

「ははっ……なんだ、それは」
「馬鹿みたいだろう?」
「あははっ……本当に、馬鹿みたいだ」
「だから、何も思い詰める必要なんてない」
「ありがとう、阿良々木先輩。私は、馬鹿だ」

こんな馬鹿な後輩を持つことは、先輩としてはそう悪くなかった。むしろ、有難いと感じる。
あまり優秀すぎると、こちらの立つ瀬がない。

「はぁ……面白かった」
「お前が楽しそうで、何よりだよ」

笑いすぎて涙を浮かべる後輩のさらさらの髪の毛に手を伸ばし、頭を撫でてやると、意外にも神原は赤面して、モジモジと口ごもった。

「実は、その、さっき笑った時に……」
「どうしたんだ?」
「ちょっとだけ、漏らしてしまったのだ」

来た。ついにその時がやって来た。
鼻の穴が広がっていくのを自覚する。
僕が知らないうちに訪れるとはシャイな奴め。
ちょっと待ってろ。すぐにスパッツに浮かび上がった染みを事細かに描写する……その間際。

「ッ!?」

背筋に寒気を感じて、振り返ると、そこには。

「誰が手を出して良いって言ったのかしら?」

黄色い雨合羽を着た戦場ヶ原が、佇んでいた。


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