阿良々木暦「神原、何か飲むか?」神原駿河「私は阿良々木先輩の汗でいい」
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8:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/05(金) 23:14:30.61 ID:vXBrfRKkO
「すまない、阿良々木先輩」
「なんだよ、いきなり」
「私は……ダメな後輩だな」

僕のツッコミに対して、またも神原は俯いた。
さっきから、感情の浮き沈みが激しすぎる。
どうも今日の後輩は、情緒不安定らしかった。

「せっかく、戦場ヶ原先輩の好意で自分の過去の行いを払拭する機会を得たのに、阿良々木先輩にデートを楽しんで貰うことすらままならない、この愚かな後輩を……どうか許してくれ」

そう言って顔を上げて、未だに降り止まぬ雨を見つめる神原は、泣いているように見えた。

『神原とデートをすることを許可します』

先日、戦場ヶ原からそう告げられた時からその真意が掴めずに困惑しつつ、今日のデートの日を迎えた僕は、ここに来てようやくその意味を理解した。

つまり、降って湧いたようにセッティングされたこの後輩とのデートは、神原が過去にしでかした僕に対する暴力的な行為を払拭し、帳消しにする為に用意された場なのだろう。

その真意に、僕はすっかり呆れ果ててしまう。

「まだそんなことを気にしていたのか?」
「あれだけのことをしたのだから当然だ」

たしかにあの時、僕は腸を引き千切られた。
死ぬかと思ったし、実際に死にかけた。
それでも根に持つことはない。何故ならば。

「知ってるか、神原」
「えっ?」
「腸を引き千切られて、周囲にうんこを飛散させるのは、超気持ち良かったんだぜ?」

腸なだけに。超気持ち良かった。
ならば、委細問題あるまい。
それで全て、帳消しと言えよう。


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