40:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 22:36:44.01 ID:lCVrPTby0
全校集会の直後、ムギセンパイは職員室へ足を運び、自ら犯行を名乗り出た。
超能力のくだりを巧妙に隠しながらも、侵入時刻や鯉の様子など、細部に渡り犯行の全てを自供した。
ところが先生たちはムギセンパイの供述を一笑に付した。
成績優秀品行方正、先生の評価も高いムギセンパイが、そんなアホなことをするなんて、だれも信じるわけがない。
41:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 22:38:10.47 ID:lCVrPTby0
ムギセンパイはめためたに怒られた。
今までの人生でいちばん怒られたわ、と頭を垂れたムギセンパイが言った。
「自分勝手すぎたな、って」
42:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 22:40:02.02 ID:lCVrPTby0
「ほら。鯉たちが自分で、噴水から出たい、なんて言ったわけじゃないでしょう」
「はい?」
「わたしの勝手な正義感を押し付けて、あの子たちを振り回したのはよくなかったわ」
43:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 22:41:00.07 ID:lCVrPTby0
二学期になると、私は生物委員に立候補した。
帰ってきた鯉たちは、何事もなかったかのようにゆるゆると泳いでいる。
やっぱり不気味だけど、きちんと毎日餌をやっているうちにちょっとは愛着も湧くかもしれない。
濁り切った水もなんとかしてあげたいし、水質改善のためにはフィルターが必要らしいので、次の会議で予算申請してみるつもり。
44:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 22:44:44.34 ID:lCVrPTby0
ムギセンパイとは今でもいっしょにラーメン屋へ通っている。
18歳になったムギセンパイに、もう超能力は備わっていない。
エネルギー補給の必要はないけれど、ラーメンのおいしさを覚えて、やめられなくなっちゃったみたい。
太らないようにしなきゃね、とセンパイは困ったように笑って言った。
45:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 22:46:30.10 ID:lCVrPTby0
ムギセンパイとふたりで話すと、やっぱりコイバナばかりになる。
律センパイのことはまだ話していない。いつかちゃんと言わなきゃな、とは思ってる。
ムギセンパイはバイト先で知り合った大学生といい感じらしい。
46:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 22:47:29.95 ID:lCVrPTby0
17歳の女の子は特別、とムギセンパイは言っていた。
そうだ、私も17歳だ。もしかして。
47:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 22:48:07.49 ID:lCVrPTby0
以前別のところで世に出したものを加筆修正しました。
一日早いけどムギちゃんお誕生日おめでとう。だいすきです。
48:名無しNIPPER[sage]
2019/07/02(火) 08:03:39.89 ID:+wWRxoET0
おもぴろかった
49:名無しNIPPER[sage]
2019/07/02(火) 16:52:11.19 ID:accmInrXo
おつりん
何故か最後まで読んでしまった
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