32:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 22:22:08.20 ID:lCVrPTby0
「だからわたしが鯉を救うの。そうしたらみんなきっと気づくわ。いなくなって初めてわかるのよ。大切なものの存在に」
眉をきりりと吊り上げ、瞳をらんらんと輝かせ、ムギセンパイは断言した。このひとはマジだ。
「あのう、で、鯉を、どうやって?」
「それはもう、これで」
と、ムギセンパイがスプーンを取り出した。
「スプーンで掬う気ですか」
「やだなぁ梓ちゃんってば。スプーンはたとえ。超能力で、ぴゅぴゅっと」
「んん? どうゆうことです?」
「物質転送よ」
草木も眠る、丑三つ時。学校に忍び込み超能力を使い、噴水の鯉をムギセンパイの家の池に転送する。それがムギセンパイの作戦だった。
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