紬「エスパー少女は17歳」
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12:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 21:52:17.49 ID:lCVrPTby0
 ムギセンパイにできるのはスプーン曲げ=B

 実際に見せたほうが早いかしら。ムギセンパイがポケットからスプーンを取り出した。
 どうしてそこからスプーンが? 疑問を封じ込めたまま触らせてもらう。
 特におかしなところはない。何の変哲もないよくある銀のスプーンだ。お店のじゃなくて、わたしのだから大丈夫、と注釈をつける。スプーンを持ち歩いてるのか、このひと。


13:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 21:53:53.50 ID:lCVrPTby0
「梓ちゃん。よく見ててね」

 ムギセンパイは左手にスプーンの柄の端を持ち、右手の親指と人差し指でスプーンの首もとをつまむと、ゆっくりと擦りだした。

 私はセンパイの手元をじっと見つめた。


14:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 21:54:27.33 ID:lCVrPTby0
 何も起こらないまま、静かに呼吸だけが続く。

 しばらくしてムギセンパイが大きく息を吸い込んだ。



15:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 21:55:32.12 ID:lCVrPTby0
 右手をスプーンから離し、左手を左右に振る。

 スプーンが揺れる。

 スプーンの頭はぐにゃぐにゃと左右に傾げる。
以下略 AAS



16:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 21:56:10.92 ID:lCVrPTby0
 揺れは次第に大きくなってゆく。



 まるで飴細工だ。
以下略 AAS



17:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 21:56:59.86 ID:lCVrPTby0
 センパイが、えいっ、と掛け声をかけた。


18:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 21:57:34.57 ID:lCVrPTby0
 スプーンは柄の部分からぽっきりと折れ、乾いた音を立ててテーブルに落ちた。



 私は口をぱくぱくさせながら、ただ呆然としていた。
以下略 AAS



19:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 21:58:33.46 ID:lCVrPTby0
 超能力の話の続き。

 超能力を使わないでいると、身体の中に余計なエネルギーが溜まってしまう。
 ムギセンパイ曰く、おなかの下のほうがムズムズするっていうか、ムラムラするっていうか、気持ち悪くてたまらないらしい。
 だから定期的に発散する必要がある。排便みたいなものね。とムギセンパイは言う。例えが悪すぎる。
以下略 AAS



20:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 21:59:23.49 ID:lCVrPTby0
「他のセンパイ方には見せたんですか?」

 ムギセンパイは首を横に振った。

「どうしてです? 今度部室でやってみせてほしいです!」
以下略 AAS



21:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 22:03:12.62 ID:lCVrPTby0
「だって。ただスプーンを曲げるだけよ」

「十分すごいですって!」

「そうかなぁ。ビームとか、ワープとか、空中浮揚とか、マンドリルに変身とか、そういう派手さはないじゃない? タツマキも出せないし。期待させるだけさせおいて、がっかりさせちゃったらわるいもの」
以下略 AAS



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