7: ◆ukgSfceGys[saga]
2019/06/18(火) 21:22:42.15 ID:tLeGcQVf0
「神様の存在ですか〜? それはもう信じてますよ〜」
8: ◆ukgSfceGys[saga]
2019/06/18(火) 21:23:23.82 ID:tLeGcQVf0
聞く人皆を安心させるような、そんなおっとりした声でそう答える彼女。まぁこの人に聞いたら、そりゃ当然こう答えるよね。
幸運の化身。あるいは女神様。昔は『仕込みネタでしょ?』と揶揄されてたけど、今やそんな軽率な言葉は一切聞こえなくなった、そんなアイドル。
それくらい自身と周りに幸運を巻き起こすアイドル、鷹富士茄子さん。
9: ◆ukgSfceGys[saga]
2019/06/18(火) 21:24:21.36 ID:tLeGcQVf0
「ですが……」
考え事をしている間に、茄子さんはそう言って言葉を続ける。
10: ◆ukgSfceGys[saga]
2019/06/18(火) 21:24:51.13 ID:tLeGcQVf0
「──今の幸運が……今の幸せが……全部神様の掌の上なんて少し悲しいじゃないですか。ちょっとは自分の手柄にしたいものですよ。『私の頑張りが報われた』ってことの方が、只の幸運なんかよりも、ずっとずっと嬉しいじゃないですか」
11: ◆ukgSfceGys[saga]
2019/06/18(火) 21:25:18.20 ID:tLeGcQVf0
そんな風におどけて見せる茄子さん。そう言い切った顔は普段は滅多に見ることのできない小悪魔みたいな顔だった。
カミサマも悪魔も味方につけるなんて、どうやったってこの方面では茄子さんに勝てなさそう……。
そんな風に思った茄子さんとのお話だった。
12: ◆ukgSfceGys[saga]
2019/06/18(火) 21:26:01.72 ID:tLeGcQVf0
◆◇◆
正直茄子さんがあんなこと思ってるなんて意外だった……。あれだけ"カミサマ"に愛されたような人なら、全肯定するかと思ったのに……。
じゃあそれなら彼女はなんていうのだろうか? 茄子さんとはある意味真逆なあの娘は?
13: ◆ukgSfceGys[saga]
2019/06/18(火) 21:26:28.10 ID:tLeGcQVf0
「え? 神様ですか?」
14: ◆ukgSfceGys[saga]
2019/06/18(火) 21:27:11.82 ID:tLeGcQVf0
ほたるちゃんは少し驚いた表情をする。
そりゃそうだろうね。今まではアイドル活動やファッションの話ばっかりしてたのに、急にこんな話題が出てきたらビックリするに決まってる。少なくとも私だったら何度か聞き直しちゃう。
「うーんと……そうですね……」
15: ◆ukgSfceGys[saga]
2019/06/18(火) 21:27:38.78 ID:tLeGcQVf0
「でも、それを言い訳にしたくありません」
16: ◆ukgSfceGys[saga]
2019/06/18(火) 21:28:53.22 ID:tLeGcQVf0
そんな笑顔のまま、きっぱりとほたるちゃんは言い放った。まるで目の前にいるカミサマに対して宣言するように。
「いや、確かに挫けそうになる時だって当然ありますけど……。それでも私はアイドル活動において、不運を言い訳にしたくありません」
17: ◆ukgSfceGys[saga]
2019/06/18(火) 21:29:29.54 ID:tLeGcQVf0
◆◇◆
幸運に愛された茄子さん。
不幸に愛されてしまったほたるちゃん。
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