【ミリマス】私という撫子の
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17: ◆DbvMVEE3z2[sage saga]
2019/06/16(日) 00:22:58.93 ID:RAUxaTtJ0
 だけど現実はすぐに花開くほど甘くも優しくもなくて。
 私のそれは花どころか芽すら出ない。憧れの花は部屋の中にこうしてあるはずなのに何故だか遠くて、靄がかかっているようによく見えなかった。
 
 日本語を学ぶのは楽しいけれどそれと同じくらいに難しい。そんな言語の壁はどうしようもなく高いものだったけれど、これを乗り越えなければ芽は絶対に出ないのだと言い聞かせて必死に勉強する。

 他にも日本の文化を英国で学ぶことには苦労した。

 日本舞踊に関しては父の知り合いを通じて、英国に住んでいる日本人の先生にお稽古をつけてもらえているが、茶道や陶芸、日本画の先生を見つけることはできなかった。流石に全部を一人で学ぶのは難しいため、着物も着られて作法も学べる茶道から始めることにした。揃えられる道具を揃えて日本語で書かれた本と辞書を並べて、試しに点ててみる。

 初めて点てた抹茶は顔の部品が全部中心に寄りそうになるくらいに苦くて飲めたものではなかったけど残すのは日本の美学に反すると、思いきり飲み干した。父にも飲んでもらうとものすごいしかめっ面をされて「練習あるのみだな」と言われた。



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