【ミリマス】私という撫子の
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11: ◆DbvMVEE3z2[sage saga]
2019/06/16(日) 00:16:10.83 ID:RAUxaTtJ0
 そうして入った次の部屋の光景に。
 私は思わず息を呑んだ。心が奪われた。

 見渡す限り、全く見たことのない景色と色と知らない世界で囲まれている。
 木の棒にかけられた色とりどりの布がたくさん飾られていて、それはまるでカーテンみたいで。だけどカーテンのように薄くはなくて、波打ってもいなくて。
 すごく、すごく綺麗だと思えた。

『これは……、なに?』

 先を行こうとしたお父さんの袖をたまらず引っ張って尋ねる。
 この世界をもっと知りたい。この景色をもっと見ていたい。
 私は、この世界に。

『Kimonoだよ。Nihonの女性が着る服のこと』
『Kimono……』

 袖を引っ張られて後ろにつんのめったお父さんに教えてもらった言葉をそのまま繰り返す。
 知らない言葉が私の中に入ってくる。乾いた土に水が染み込むように。何も知らない私の中にじわりと響いていくその言葉。

 NihongaもToukiも綺麗だった。素敵だと思えた。
 けれど、このKimonoはまた違う。

 こんな胸の高鳴りは初めてで。今までになくて。知らない感情で。
 心臓の音が早い。それになんだか顔も熱い。
 何より、世界が輝いて見えて。
 どうすればこれが抑えられるのか私はちっともわからなくて。



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