【たぬき】高垣楓「迷子のクロと歌わないカナリヤのビート」
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86: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/06/18(火) 23:45:51.92 ID:BLRBsoCc0

   〇


 そこからがもう凄かった。
 二人差し向いに座り、ものすごいペースで酒を飲み交わす。

 ビールにワインに日本酒に焼酎……どこからこんなに出るのかというほどの酒量を、
 二人はまるで当然といった顔で飲み干してのける。

 こっちはついていくだけで精一杯だ。
 高垣さんは俺と飲む時にはセーブしていたらしいという恐るべき事実が明らかになった。

「――で――だから――」
「そうですね――は――から――」
「――――なの――――するのは――」

 途切れ途切れの会話を追うこともできない。机に突っ伏しても重力を感じなかった。
 辛うじて空けた最後のグラスを片手に、重い眠気にも似た酩酊感に身をゆだねる。

 不意に目の前に、淹れたて熱々のコーヒーが置かれた。
 それでいくらか意識が引き戻され、苦労して上体を起こすと、マスターが気遣わしげに俺を見下ろしていた。




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