【たぬき】高垣楓「迷子のクロと歌わないカナリヤのビート」
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23: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/06/14(金) 01:12:25.84 ID:DTY4fa360

 指先で泣きぼくろを一撫でし、彼女は小首をかしげてみせる。


「もしかしたら、これがそうなのかもしれませんね」
以下略 AAS



24: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/06/14(金) 01:13:31.80 ID:DTY4fa360

  ◆◆◆◆


「それ高垣さんじゃありませんか?」
以下略 AAS



25: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/06/14(金) 01:15:07.85 ID:DTY4fa360

「にしても、凄いですね。あの高垣楓さんとご一緒するなんて」
「え、そんなにですか?」
「ええ。噂ですけど彼女、飲む時は決まって一人なんですって」

以下略 AAS



26: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/06/14(金) 01:22:03.91 ID:DTY4fa360

「Pさんもよくわからない人ですね……。一体どういう魔法を使ったんですか?」
「いや、魔法っていうか。単に成り行きなんですけど」
「そういうことにしときます。あ、このこと他の誰にも話さない方がいいですよ。騒ぎになるかもだし」

以下略 AAS



27: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/06/14(金) 01:24:02.37 ID:DTY4fa360

   〇


「あら、またお会いしましたね」
以下略 AAS



28: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/06/14(金) 01:24:55.82 ID:DTY4fa360

「……すみません、どこから突っ込んでいいかわからないんですが」
「おでんの気分なんです」
「はい?」
「まだ少し肌寒いですから。ここはひとつ、おでんを食べて温まりたいなぁって」
以下略 AAS



29: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/06/14(金) 01:32:37.87 ID:DTY4fa360

   〇


 それから、何度か酒を酌み交わすことがあった。
以下略 AAS



30: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/06/14(金) 01:34:18.25 ID:DTY4fa360

「うちの会社の話なんですけど」
「はい」
「新しい事業を始めるみたいなんですよ」
「まあ、そうなんですか」
以下略 AAS



31: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/06/14(金) 01:36:58.16 ID:DTY4fa360

 オチを考えて言い出したことじゃない。思考がそのまま漏れたみたいな感じだ。
 小さく首を振り、「この話は終わりです」と動作で示した。
 すると高垣さんは深く追求せず、「そうですか」とだけ返して酒を注ぎ足す。

以下略 AAS



32: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/06/14(金) 01:38:41.96 ID:DTY4fa360

「ほら」

 花綻ぶ笑みの意味は何だろうか。
 気遣いか、慈しみか。酒に鈍った頭では、敢えて問うこともできなかった。
以下略 AAS



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