【たぬき】高垣楓「迷子のクロと歌わないカナリヤのビート」
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26: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/06/14(金) 01:22:03.91 ID:DTY4fa360

「Pさんもよくわからない人ですね……。一体どういう魔法を使ったんですか?」
「いや、魔法っていうか。単に成り行きなんですけど」
「そういうことにしときます。あ、このこと他の誰にも話さない方がいいですよ。騒ぎになるかもだし」

 そんなにか。
 改めて言われると、あの夜のことが丸ごと幻だったように思えてくるから不思議だ。
 しかし高垣楓という人は実在していて、今も見本の雑誌やポスターの中で微笑んでいる。

 千川さんはふと思い立って、深刻な顔でこちらに口を寄せた。

「…………一応言っておきますけど商材に手を出すのは」
「出しませんよ! 俺のこと何だと思ってんですか!?」
「ならいいんですが。いえ、なんかPさんってクソ鈍感天然中途半端モテ野郎の気配がどことな〜くするものですから……今はまだ兆し程度ですが……」
「しれっとなんてこと言うんだこの黄緑……」

 実際、手を出すもクソも無い。あの夜が例外中の例外だっただけで、また会えるかすらわからないのだし。
 ……あの人飛んでましたよ、ともまさか公言できない。
 モデル部門で既に第一線にいる彼女ならば、仕事で一緒になることもまずないだろう。

 色んな意味で高嶺の花だ。二度とはない珍事に違いない。




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