【たぬき】高垣楓「迷子のクロと歌わないカナリヤのビート」
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◆DAC.3Z2hLk
[sage saga]
2019/08/22(木) 00:20:22.35 ID:rmOYl90d0
彼らの仕事ぶりは素直に尊敬している。
入社当初から知っていたから、一部署を任されるまでになった躍進は本当に嬉しい……めちゃくちゃ忙しそうなのはともかくとして。
あやかりたい気持ちはあるが、今の自分で満足している気持ちもまたある。
346プロの使用人。それでいい。何の不満も無い。けれど……
「けど……」
「ん? 何か言った、Pさん?」
「……何かが。何か……足りない、ような」
――体がまだ、何かを追いかけたがっているような。
考えて言ったことではなかった。
自分の中の何かが突発的に膨れ上がって、言葉が口をついて出た。
タクさんがサングラス越しの目をきょとんとさせる。
「何かって何だよ?」
「いや……それが、よくわからないんですけど」
「ずいぶんフワッとしてんな……疲れてんじゃねぇのか? 休み取るか?」
いかん無用な心配をさせてしまった。
深い意味なんて考えもしていない……はずだ。けれど、それが妙に重く腹の底に居座る。
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