【たぬき】高垣楓「迷子のクロと歌わないカナリヤのビート」
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169: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/07/27(土) 16:06:42.32 ID:aiDwMVos0


 あの時、青い眼がこちらを見ていた。

「そんな時、あなたに出会いました。私が流す涙の理由を聞いてくれました」

 涙が流れるのは、いつも青い眼からだった。


「夜空が綺麗な時や、楽しい時や、嬉しい時。自然と涙がこぼれます。
 それが永遠ではないと知っているから。楓は、誰ともそれを分かち合えないと知っているから。
 ……私が教えた歌を、あの子は封じてしまったから」

 今、両目の青がまっすぐ俺を射ている。
 無邪気に見開かれた双眸は、獲物を前にする猛禽のそれに似ていた。


「ねえ。だから、一緒にいませんか?」




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