39: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/08/15(木) 20:53:47.28 ID:An8umD0so
幾度もみた映画であったが、映画の最後、その凄惨な幕引きは、二人をその場から動けなくさせるには十分すぎた。
「演じること」。
劇場の女優たちはただひたすらにそれを追い求め、それぞれが持つ矜持に従い生きている。
コレットも、マドリーンも。そして、モニカも。
彼女らを形作ってきたひとつひとつが今の彼女たちを動かしている。
改めて見返すたびにこのみは不安に飲まれそうになる。
「シンシア」がそうであったのかは、自分では皆目見当がつかない。
タイトル画面へ遷移して再び音が帰ってきたところで、このみは答えのない問いを遠くへ追いやり、代わりに小さく息を吐いた。
「……ねえ、桃子ちゃん。すこしいいかしら……?」
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